STATEMENT

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2013/11/20
小学生の時、授業で習った“かげおくり”や星の軌跡の写真。
あるものが媒介になって見えるはずのないものが残像や軌跡として形を残す。星の軌跡の写真は写真を通して、ある一定の時間(星の足跡)を感じ取ることが出来る。幼い頃からこの見えるはずのないものが見えることに対して不思議に感じていた。それと同じように、記憶の中に残っている風景や残像、こちら側でもなくあちら側でもないどこかつかみどころのない混沌としたもの、一定の時間に見られるものの軌跡といった不在の対象を一度自分というフィルターを通して見つめ直し、再構築したものをキャンバスに残したいと思いながら描いている。そのいわば自分の記憶の中にある不在の対象を描くことで少しでも鑑賞者の記憶の片隅に眠っているそれと共有できればいい。 <アクリラート2014別冊より抜粋>